6AKA! (ロクアカ)

茅場町で働く社長のブログ

日本人の生活様式がコロナ感染拡大を抑止しているのか?


さて、東京都が発表する新型コロナ感染者数ですが、だいぶ落ち着いてきたようです(集計ミスもあるけど)。

当初、東京五輪開催へ向けた思惑や、経済優先で、海外からの入国者に対する水際対策が後手にまわり、一時はオーバーシュートからの医療崩壊も懸念されましたが、一部の地域をのぞいてなんとか抑制に成功しているかのように思えます。

今日にも39県で緊急事態宣言解除が発表される模様・・・

こうして振り返ってみると、非難が集中した安倍政権ですが、意外にもコロナの抑え込みに成功したのではないかと思えてきますし、実際、海外では高く評価されています。

感染が爆発してしまった欧米と日本を比較して、何が感染拡大を抑止したのかという考察を進めていくと、やはりその一つに日本人の生活様式に光が当てられるべきかと・・・


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まず

 

1. 靴を脱ぐ習慣

米国CDCによれば、靴底からもコロナウイルスが検出されることを明らかにしています。

footwearnews.com


集中治療室で働く医療従事者の半数の靴底からコロナウイルスが発見され、感染者が出歩くことがない薬局からも100%の確率で発見されています。

ウイルスが靴底付着、拡散 微粒子は4メートル飛散も―中国武漢の臨時病院で調査。

www.jiji.com

玄関で日本人は必ず靴を脱ぎます。内と外を明確に区別します。ところが欧米では関係なく家の中にも土足でずかずか入ってきます。

当然、中には土足を禁止している人もいます。ですが基本、土足で入ってきますので、靴の裏にウイルスが付着している場合、家の中でばらまくことになります。

いろいろ調べてみると、ドイツ、オーストリア、北欧では一般的に靴を脱ぐのだそうです。逆にイギリス、イタリア、フランス、スペイン、ポルトガルでは靴を履いたまま屋内に入ります。米国は靴を履いたままです。

靴を脱ぐ習慣 - Wikipedia


ちょっとここで世界各国の感染者数と靴を脱ぐか脱がないかについて考察してみましょう。

 感染者数の多い順に10ヶ国を並べてみました(5/14現在)

米国

1,421,061

●脱がない

スペイン

271,095

●脱がない

英国

229,705

●脱がない

ロシア

252,245

○脱ぐ

イタリア

222,104

●脱がない

ブラジル

190,137

●脱がない

ドイツ

174,098

○脱ぐ

トルコ

143,114

○脱ぐ

フランス

140,734

●脱がない

イラン

112,725

○脱ぐ

 参考:Template:COVID-19 pandemic data - Wikipedia

 

トップ10のうち、6ヶ国が靴を脱ぎません。しかし注目すべきはトップ3が靴を脱がない。トップ5のうち4ヶ国が靴を脱がない、という事実です。

ただ靴を脱ぐ国もいい感じにランクインしているのでこの時点でなかなか靴脱ぎがどこまで影響しているのか判断は微妙。

しかし!

これ、死者数で見るととんでもない事実が見えてきます。


では死者数で並べ替えてみましょう。

米国

84,783

●脱がない

英国

33,186

●脱がない

イタリア

31,106

●脱がない

スペイン

27,104

●脱がない

フランス

27,074

●脱がない

ブラジル

13,240

●脱がない

ベルギー

8,843

○脱ぐ

ドイツ

7,861

○脱ぐ

イラン

6,783

○脱ぐ

オランダ

5,562

○脱ぐ

 

ど、どうですか?これ。。

 

なんと上位6ヶ国が「靴を脱がない」のです。靴を脱ぐロシアは死者数では、なんと2,305人で18位にランクダウンしています。


この統計を見る限り、家に入るときは靴を脱ぐという習慣が、まさに国全体の死者数を左右する大きなファクターになっていることは明確となります。

今、日本の靴を脱ぐ習慣が世界中で見直されています。

文化が欧米化され、日本のオフィスの多くは靴のまま入っていきます。僕が経営する会社もそうですが・・・

これは極めて危険である、ということになります。

もしかしたら・・オフィスの玄関で靴を脱いでスリッパに履き替えて入る、というアフターコロナ的な世界が出現するかもしれません。

 

 

考えてみると、20数年前に起業してからはしばらくオフィスはマンションの一室でした。そこでは玄関で靴を脱いでスリッパに履き替えていたものです。


当時は、早くオフィスビルに引っ越して靴を脱がなくても良いような場所で働きたいなー、なんて思ってましたが、この思考こそ、変に欧米化された、ウイルスに対して脆弱な思考方法であるとしたら・・・


余談ですが、昔、米国の大学院に留学していた頃、米国人の友達の家に遊びに行った時、彼が靴をはいたままベッドに寝転んだのをみて驚愕した記憶があります。



2. 毎日の入浴習慣

日本人は世界の人から見ると驚異的に清潔であるとされています。

毎日お風呂に湯をためて入浴する文化というのがそもそも日本特有とのこと。

知人の日本人女性で留学を通じて国際結婚された方など、何人か知っていますが、おそらくその理由のひとつに清潔感がはんぱないことが評価されてるのではなかろうかと思います。


世界の人々を平均すると、ほぼ毎日シャワー浴びて、2日に1度、シャンプーで髪を洗う。
シャワー、お風呂の度にシャンプーをするのは日本だけ??

tabi-labo.com

フランスでは大人の4人に1人が毎日体を洗ってないと言われています。
男性の3人に1人、女性の4人に1人はトイレの後に手を洗ってません。

mousouadvisor.com


日本人から見ると本当に不潔に感じられますよね・・・

 

3. マスク着用率がそもそも高い

 

日本人はマスク着用率がそもそも高いと言われてました。

日本人が普段からマスクをしているのをみて、不気味だと感じている外国人も多いと聞きます。


イギリスではアジア系留学生がマスク着用して外出して暴行を受けた事件(ヘイトクライム)が発生したこともある。

president.jp

もっともトランプ大統領はマスクが嫌いだと言うし、イギリスBBC放送はマスク不要論を主張。コロナ陽性で一時、命の危険さえ噂されたジョンソン首相もマスクをしていません。

この背景には欧米には口や鼻を隠してはいけないという習慣があるらしいです。現在は少しづつ変わっているそうですが。

そこへ行くと日本はマスク着用率が本当に高い。うちの娘は風邪をひいてないにもかかわらずマスクをつけたがりますし。

 

マスクに対して海外の人々はどう考えてるのか調べてみた

 

 

↑ギリシャ在住の方。人がお互い近距離にならなければマスクは不要。空気感染しないからだ、と主張。

 

↑英国チャンネル4ニュースのCiaran Jenkinさんのツイート。

日本の人口1億2600万人に対し、死者624人、一方、英国は6,600万人に対して31,855人の死者。どうしてだ?という問いかけへのリプライが面白い。


 

日本はグループ志向、みんなが規律を守るのに対し、英国は個人主義で自分が楽しむことしか考えてないからだ

 

↑マスクカルチャー、ハグ・握手しない、自宅や職場での手洗い文化、幼児期の多様なワクチン接種などが関与

 
↑日本はロックダウンも広範囲の行動追跡もしてない。唯一の理由、それはマスクだ。

 

 
↑(ツイッター翻訳で)私は3月の初めに日本にいました。誰もがマスクを着用していた。すべての美術館は閉鎖され、イベント/集会はキャンセルされました。あなたが入る前に、すべての店、レストラン、バーには手指消毒剤がありました。多くの場合、マスクを使用してのみ入ることができます。私は制限なしで英国に戻りました。

 (どうでもいいがツイッター翻訳、秀逸・・・汗)


 

↑アメリカ人の80%がマスクを着用した場合、COVID-19感染は急落するでしょう・・・

 

 

先日ニュースをみていたらとんでもない映像が飛び込んできました。

米国人がマスクを忌避する姿勢がいかに徹底しているかが分かります。


米国のレストラン、誰もマスク着用しない

 

これCBSニュースが報じた、5月10日、母の日の映像。
コロラド州(人口579万人)の州都、デンバー(人口62万人)にあるCastle Rock Restaurant。

誰もマスクをつけず、ソーシャルディスタンスも無視。

 

ちなみにコロラド州では2万人が感染し、1000人以上が亡くなっています。
この日も350人が新たに感染しているにもかかわらず・・・

Case data | Colorado COVID-19 Updates

 


握手、ハグ、発声方法

 

握手しない、ハグしない、と欧米に比べ個人間のソーシャルディスタンスがそもそも離れているというのがあると思われます(満員電車という例外もありますけど)。

あと、発声も、日本語は欧米諸国の言葉に比べて、息を大きく吐いて発声しない、といった特徴があります。

 

火がついたロウソクの前に立ち、英語ネイティブの人が話すと火は消えます。
一方、日本人が話しても、火は揺れる程度で消えません。

 

これは英語というのは[h]つまり息を吐く「ハー」という音が常に音声の構造の中に入っているからだと言われています。つまりお互い対面して話す時は、相手にかかる息の量がそもそも異なるわけです。

一方日本語は発話するとき口の中から大きな息が吹き出されることは少なく、ブツブツと口元で、文節化された音が紡ぎ出される、そんな感じがです。

 

まとめ

なぜ日本は新型コロナを抑え込むことに「成功」(←微妙なので「」付きです)したのか?

今回は靴を脱ぐ、入浴、マスク着用に対して抵抗がない、この3つに焦点を当てて書いてみました。握手やハグ、発声方法についてはまた別の機会に書いてみたいと思います。

 
(終)