6AKA! (ロクアカ)

茅場町で働く社長のブログ

ポストコロナ時代に広がる不気味な食事風景とは?


とんこつラーメンの全国チェーン一蘭。

六本木に住んでた頃はよく行ってました。六本木店は関東第一号店だそうだ。

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一蘭といえば、あの両隣に仕切りがある味集中カウンター。

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出典: http://blog.livedoor.jp/ovation29/archives/58513985.html



味集中カウンター

最初にあれを体験した人は本当になんと不気味なラーメン屋があるものか、と思ったであろう。

しかし出されるラーメンを一口すすれば、うん、これは美味い・・・と。

確かにこれは隣の連れと話している場合ではない。
女性も一人で入ってこれるし、誰にも悟られず、替え玉ができる。

また同伴者と話さないから回転率も上がる。

考えてみればこの仕切り、さらに目の前にある、簾(すだれ)。

両隣との接触を切断し、さらに店員との接触もギリギリまで切断しているではないか。

まさにこれぞ、脱3密。ポストコロナ時代の飲食店のお手本。

朝のワイドショーでも、解説者たちの間には仕切りがセットされている。

これをすでに20年以上前からラーメン店でやっていたわけだ。

(全国の一蘭の中には味集中カウンターがない店舗もあるが)

 
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ある歯科医の発言

そんなことをあるLINEグループに書いたら、歯科医の先生がこう発言された。

 


今回の新型コロナウィルス感染は殆ど慶應義塾大学病院、京都大学病院の医師やインターンは飲み会による対面感染です。

警察、京都産業大学(スペイン産新型コロナウィルス)も飲み会。

特に京都産業大学生の3月に卒業旅行が非難されています。

それまで新型コロナウィルスは武漢産で、それほど重症化しなかったのに京都産業大学生が持ち込んだスペイン産はかなり重症化した変異ウィルスです。

ヨーロッパで新型コロナウィルスが蔓延している時に卒業旅行した神経がわかりません。

闇雲に飲食店の営業自粛ではなく、家族ゲームのテーブル配置と空気清浄機と窓を開けておく換気をすれば大丈夫です。

それよりまず院内感染と介護施設のクラスターです。


この対策を何もしないで80%減なんて騙されてはいけません。

 


さらに、小学校でインフルエンザが一気に流行するのも、あの机と机をくっつけて対面で食べる、昔ながらのスタイルの影響が大きいそうだ。

つまり対面が危険なのですね。


ん?

 

家族の食事風景は変わるのか

となると家庭での飲食のスタイルも変わりますね。

サザエさんではないが、家族の食卓というのは基本対面である。

 



対面=感染リスクUP。

がゆえに、家族団らんでの家庭内感染も増えているという。

 

www.kahoku.co.jp

www.fnn.jp

ただし、親にとって、久しぶりに帰省する大学生の息子(or娘)と一緒にご飯を食べること、それは何ものにも変えられない至福の瞬間であろう。



しかしこの至福の瞬間、対面、相対して、娘(or息子)の顔を見ながら食べる、まさにこの瞬間が高齢の両親の命を危険にさらす瞬間だとしたら・・・

 


小学校の給食風景も変わる


給食 対面で検索するとこんな記事が。

 

www.asahi.com

headlines.yahoo.co.jp

授業と同じように皆、正面を向き、話をせずにもくもくと食べる・・・・


小学校の給食の時間といえば、小学生にとって一番楽しい時間のはずだ。


それがまるで悲しみに満ちた告別式のようなものに変わる・・・

 

あの楽しい給食の時間は、例えば牛乳を飲んでる生徒を別の生徒が笑わせたら吹き出して牛乳をまわりにぶちまけるとか・・


そんな風景はコロナによって「失われた時」となるのか・・・

 

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思い出すのは、映画「家族ゲーム」


そこで思い出すのが、松田優作主演の映画「家族ゲーム」だ。

 


横一列に並んで家庭教師を挟んで家族が全員同じ方向を見て食べる。

これを初めて見たときも衝撃的だった。


まさに一蘭の味集中カウンターがこの世に出てきた時と同じくらいの衝撃を与えたのではなかろうか。

最後ラストシーンでは家庭教師である松田優作が突然暴れだし、マヨネーズを絞り出して食卓をカオスの場に。

この衝撃のラストシーンはテレビ地上波放送ではカットされたらしいが。

さて、ここで味集中カウンターと「家族ゲーム」どちらが先にこの世に出たか調べてみよう。

 

家族ゲームと味集中カウンター


家族ゲームは1983年公開。

現在の一蘭の1号店は1993年。

 

 

1号店開店時より「替玉システム」と「オーダーシステム」を始め、後の「味集中カウンター」の基礎となる目隠し暖簾をカウンター各席に配置。目隠し暖簾に加え、隣席に仕切り板を設け現在のスタイルとなったのは4年後。

 

出典: https://www.service-js.jp/modules/contents/?ACTION=content&content_id=583



つまり、味集中カウンターがこの世界に出現したのは1997年だ。家族ゲームの14年後だった・・・

 

果たして、一蘭の味集中カウンター設計者が家族ゲームからヒントを得たかどうかは分からない。

そりゃそうだわな・・・

よくよく一蘭のホームページを見るとそうではないらしい。

長いけど良い話なので引用すると・・・

 

誕生秘話

味集中カウンターは、代表吉冨の様々な体験からヒントを得て誕生しました。
吉冨が大学1年生の時、父親の癌の闘病生活が始まり、自身で学費と生活費を稼がなくてはいけない状況になり、とある食堂でアルバイトを始めました。その店の大将の腕は超一流でしたが、無類のギャンブル好きでした。店は客席から厨房の様子が非常に見にくい作りであったため、それを良いことに大将はしょっちゅうギャンブルに行っては帰って来ない状況でした。そのため、その店のオープンから携わっていた吉冨は一人で店を切り盛りするようになり、そこで料理の腕を磨いていくことができました。


ある日、常連のお客様がラーメンを注文し「美味しい」と言って帰っていきました。翌日同じお客様がご来店し、大将不在で吉冨が一人で切り盛りしている事に気づかれました。ラーメンを注文され、食べ終わると「君の味はまだまだだな」とおっしゃいました。


また翌日、同じお客様がご来店。ラーメンを注文したので「大将がつくりました」と偽りお出しすると、「やっぱ大将のラーメンは美味しいね。」とおっしゃいました。


3日間すべてのラーメンは吉冨が作ったものですが、お客様の美味しさの感じ方は異なっていました。その時「人は誰が作ったかによって味の感じ方が変わる」という事に吉冨は気づきました。


吉冨は一蘭1号店、那の川店をオープンするにあたり自ら街頭に立ち、アンケートを実施しました。すると多くの女性がラーメン店にはひとりで入りにくいという調査結果がでました。その時、吉冨は中学生時代、女子生徒が口元を隠しながらお弁当を食べていた事を思い出しました。多くの女性は周りからの視線を感じながら食事をする事に抵抗を感じるものなのかもしれない。


そうした経験から、吉冨は「作り手の雰囲気を一切排除し、お客様に一杯のラーメンのみと向き合い、周りを一切気にせず召し上がっていただける環境」を考案。那の川店では、目の前に客席と厨房をさえぎる暖簾を設置いたしました。それが味集中システムのはじまりでした。 その後、博多店がオープンする際に、初めて隣席を仕切る「仕切り板」が導入され、徐々に進化し現在の形となっていきました。

 
出典:https://ichiran.com/ganso/#counter

 

とここで、「味集中カウンター コロナ」で検索してみた。←こんな検索する人いるのか?

 

味集中カウンター革命か・・・


すると・・・


・味集中カウンターの間隔を1席ずつ空け、飛沫感染を予防 ※仕切り壁開閉不可
小さなお子様をお連れのお客様は従業員までお声がけください
(3/24放送フジテレビ「めざましテレビ」でも紹介)

出典:  https://ichiran.com/news/2020/02/eiseikanri.html


こんな記事が・・・・




さらに!!

 

あのラーメン二郎が・・・

main-dish.com


さらに!

ゲーセンも一蘭になってるという・・・

news.nifty.com

おっと、教育現場でも一蘭スタイルを取り入れるようだ。

www.yomiuri.co.jp

 これって味集中カウンター革命!?


まさに一蘭はこの新型コロナを予見していたかのような(そんなことはないと思うが)、結果的にはそのようになってしまった。

 


世界へ拡散する味集中カウンター

 

さてこの一蘭、味集中カウンターの伝播力がすさまじい。まるで新型コロナウイルスの勢力図を後追いするかのようだ。

 

 
職場の休憩室にも・・・

 
パスタデココ(ココイチのあんかけスパ専門店)も・・・

 
大学の学食も・・・

 
仕事にも集中できる・・・

 
町中華も・・

 
ラジオ番組の収録も・・・

 
さらには海を越えて味集中カウンターは広がる・・・

 

なんと気づいてみると世界中が味集中カウンターに・・・!!


まとめ


新型コロナ感染の拡大が終焉すればまたもとの日常に戻るのだろうか?

当然戻る部分もあると思うが、そうではなく、永遠に失われてしまうものもあるような気がする。

家族での食事風景はコミュニケーションの場であることを放棄し、個々の世界で味集中へ。

密を断ずることで、コミュニケーションまで断じてしまうのだった。

サザエさん的「調和」は永遠に失われ、家族ゲーム/味集中カウンター的「個」の世界へ。

食事というのは仲間と語らないながら楽しむものだ、というかつての風習は失われてしまうのか・・・




ただしここで注意しなくてはならないのが、横一列に並ぶ場合でも話す必要がある時は、相手に顔を向けてはならないわけだ。

また決して大きな声で話してはならぬ。

常に正面を向いてつぶやくように話す。

なんと不気味な食事風景なんだ、これは。

(終)